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情報コラム

2020.12.24居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除について(消費税 令和2年改正) 税務

令和2年 10 月1日以後に行われる居住用賃貸建物の課税仕入れ等の税額について、改正がありました。

これについて、例題を6つ作成いたしました。

前提条件として、消費税の課税事業者であり簡易課税制度を選択していません。金額は全て税抜金額で、消費税率は10%です。

問1

農地所有適格法人A社がR2・9月末に寮を購入しました。中古物件で建物部分だけで6,500千円、リフォーム代金として水回り等に4,000千円、駐車場の整備に3,000千円かかりました。リフォーム工事も9月末までに完成しています。控除対象仕入税額はいくらでしょうか。

回答

(6,500千円+4,000千円+3,000千円)×10%=1,350千円

問2

遊休地があり、資金にも余裕のある方から(株)B社を作ったと相談を受けました。居住用賃貸建物を建設中であり、「10月中には完成する予定なので10月末決算の新規法人を設立した。そして11月から賃貸を始めようと思う。」と、言われています。確認したところ、契約はR2・3月末までには取り交わしており、契約金額は50,000千円です。自動販売機も設置しており、手数料収入が10千円発生しています。還付税額はいくらでしょうか。

回答

(1)課税売上割合
  10千円/10千円=100%    ∴全額控除
(2)課税標準額に対する消費税額
  10千円×10%=1千円
(3)控除対象仕入税額
  50,000千円×10%=5,000千円
(4)還付税額
  1千円-5,000千円=△4,999千円

問3-1

先の問題の(株)B社が第三年度の課税期間を迎えました。賃貸開始から順調に入居者があり、第二・第三課税期間とも居住用家賃収入が10,000千円、自販機の手数料収入が20千円ありました。便宜上、課税仕入れがなかった場合、消費税の申告納付額はいくらになりますか。

回答

(1)課税標準額に対する消費税額

  20千円 × 10% = 2千円

(2)著しい変動

 ①変動率

居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除について(消費税 令和2年改正) 問題3-1回答

 ②変動差

  100%-0.2% ≧ 5%         ∴ 著しい変動(減少)あり

(3)調整税額

  5,000千円 - 5,000千円 × 0.2% = 4,990千円

(4)納付税額

  2千円 + 4,990千円 = 4,992千円

問3-2

先の問題の(株)B社が変なコンサルタントの指導により金の売買を行っていました。居住用家賃収入は問3-1と同額の10,000千円あり、自販機は建物完成と同時に撤去しており、第二・第三課税期間は金の売買を繰り返しており、金の売上が各年12,000千円、同額の課税仕入れがあり、その他の課税売上げも課税仕入れもない場合、第三課税期間の消費税の申告納付額はいくらになりますか。

回答

(1)課税標準額に対する消費税額

   12,000千円 × 10% = 1,200千円

(2)著しい変動

変動率

居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除について(消費税 令和2年改正) 問題3-2回答

3)控除対象仕入税額(課税対応のため全額控除)

  12,000千円 × 10% = 1,200千円

(4)納付税額

  1,200千円 - 1,200千円 = 0円

問4

(株)C社が、R3・3月に居住用賃貸建物を70,000千円で建設し、完成した。内訳は建物本体に45,000千円、付属設備に15,000千円、構築物に10,000千円であった。控除対象仕入税額はいくらでしょうか。

回答

<控除対象仕入税額>

 10,000千円 × 10% = 1,000千円

(注)令和2年10月以降の取得の居住用建物に該当することから、建物45,000千円及び建物付属設備15,000千円は仕入税額控除の対象とならない。

問5-1

先の問題の(株)C社が第三課税期間を迎えました。居住用賃貸建物については、全戸居住用として貸し付けてあり、第二・第三課税期間とも居住用家賃収入が12,000千円あり、駐車場収入が500千円あります。他に課税売上げも課税仕入れもない場合、第三課税期間の消費税の申告納付額はいくらでしょうか。

回答

(1)課税標準額に対する消費税額

 500千円 × 10% = 50千円

(2)控除対象仕入税額

 0円

(3)納付税額

 50千円 - 0 = 50千円

問5-2

先の問題の(株)C社が第三課税期間を迎えました。居住用賃貸建物の一部をネイル等のSHOPとして貸し付けていました。第二・第三課税期間とも居住用家賃収入が8,000千円、SHOPの家賃収入が4,000千円、駐車場収入が600千円あります。他に課税売上げも課税仕入れもない場合、第三課税期間の消費税の申告納付額はいくらでしょうか。

回答

問5-2

(1)課税標準額に対する消費税額

 (4,000千円 + 600千円) × 10% = 460千円

(2)控除対象仕入税額  0円

(3)調整税額(建物45,000千円、建物附属設備15,000千円が対象)

  ③(45,000千円 + 15,000千円)× 10% = 6,000千円

  ④

居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除について(消費税 令和2年改正) 問題5-2回答

(4)還付税額

 460千円 - 0 - 2,000千円 = △1,540千円

問6

(株)D社が、R3・3月に店舗付居住用賃貸建物を100,000千円で建設し、完成した。内訳は店舗部分に25,000千円、居住用部分に45,000千円、店舗用付属設備に5,000千円、居住用付属設備に15,000千円、構築物に10,000千円であった。家賃収入の見込みとして、店舗用家賃収入が年間10,000千円、居住用家賃収入が年間6,000千円である。他に課税売上げも課税仕入れもない場合、どのような消費税の申告をしますか。

回答

<控除税額の比較>

(1)建設年度で控除

 (25,000 + 5,000 + 10,000) × 10% = 4,000千円

 * 店舗25,000千円、店舗附属5,000千円、構築物10,000千円が対象となる。

(2)第三年度の課税期間で調整

 ① 建設年度

  10,000千円 × 10% = 1,000千円

 ② 調整税額(構築物以外が対象)

 イ (100,000千円-10,000千円) × 10% = 9,000千円

 ロ

居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除について(消費税 令和2年改正) 問題6回答

③ 控除税額合計

  1,000千円 + 5,625千円 = 6,625千円

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